じゃがいも栽培まとめ&農機ガイド
じゃがいも栽培マスターへの近道!

美味しいジャガイモを育てよう!

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じゃがいもについて

栽培スケジュール

年間スケジュール表

春作早いところでは1月下旬から、平均3月上旬くらいから播種が始まります。約80〜100日くらいの育成期間を経て、収穫の時期となります。

秋作早いところでは6月下旬、8月上旬から10月上旬にかけて播種が始まります。約80〜100日くらいの育成期間を経て、収穫の時期となります。

時系列に沿った詳細な栽培スケジュールはこちらをご覧ください。

※地域・気候によって作型が異なります。詳しくは地域指導期間にご確認ください。

じゃがいもについて詳細

じゃがいもの特徴

じゃがいもは、南アメリカのアンデス山脈が原産で、小さなイモの原種が中南米に自生していたと考えられています。
16世紀に日本に伝わり、江戸時代以降、米の収穫に不利な山間・寒冷地での栽培が広まったため、地方名や地方品種も多くあります。

じゃがいもの特徴としては、ビタミンCやカリウムなどの豊富な栄養を含むことが挙げられます。また、じゃがいもは、飢饉の際に救いの食物となったこともあり、歴史的に重要な食物の一つとされています。

馬鈴薯の奥深い魅力 ― 食と健康の未来を拓く根源的食材

じゃがいもが地球規模で人々から支持され続けるゆえんは、その特性の奥深さと多様性にあります。

7,000年以前から栽培化が始まったとされるじゃがいもは、気候条件を選ばず、世界中の生育に適する適応力の高さが大きな強みです。収穫量も豊かである一方、収穫後の耐貯蔵性が非常に高く、飢饉なく食を支える作物という一面を持ち合わせています。蒸し芋や炒め芋、ポテトチップスなど、調理法と料理のバリエーションも実に多彩じゃがいもです。

栄養面で注目すべきは、糖質を徐放し血糖値の急激な上昇を抑える機能性です。これは糖尿病など生活習慣病との関係が指摘される昨今、健康維持に大きな利点と言えます。食物繊維やカリウムなどの含有量もアピールポイントの一つ。体内環境を整える力は高く評価されます。

馬鈴薯(ばれいしょ)の特徴image
馬鈴薯(じゃがいも)の作付順位image

じゃがいもの作付順位(都道府県)

過去データを平均した総合的なじゃがいもの生産量ランキングにおいて、収穫量が多い都道府県は、1位が北海道、2位が鹿児島県、3位が長崎県、4位が茨城県、5位が岩手県、6位が青森県、7位が秋田県、8位が福島県、9位が宮崎県、10位が山形県となっています。

北海道での馬鈴薯の収穫量は2,242,000トンです*。春(5月頃)に種芋を植え付け、秋(10月頃)に収穫します。採れた馬鈴薯は貯蔵し、次の年の春まで少量ずつ出荷しています。

日本の中でも比較的暖かい九州の長崎県では、春と秋に2回馬鈴薯が収穫できます。鹿児島県では、冬が馬鈴薯を作るのに最適な季節です。春先に出回る「新じゃが」のほとんどは九州地方のじゃがいもです。

世界的に見ると、中国が最も多くの馬鈴薯を生産しており、インド、ロシア、ウクライナ、アメリカなどがこれに続いています。

*2007年時のデータ参照。長崎県の生産量は110,500トン、鹿児島県は93,300トンです。

じゃがいも栽培に適した時期

じゃがいもの栽培には、春と秋の2回の植え付けがあります。春作は3月から4月、秋作は6月から7月にかけて植え付けを行います。収穫は、春作は6月から7月、秋作は9月から10月にかけて行います。また、じゃがいもは、育てる品種によって適した時期が異なります。

品種ごとの植え付け時期は以下の通りです。

  • 男爵 1月中旬~3月中旬
  • メークイン 1月中旬~3月中旬
  • キタアカリ 3月下旬~4月上旬
  • ジャガリッチ 3月下旬~4月上旬
  • ゴールドラッシュ 3月下旬~4月上旬

ジャガイモの播種について

  1. 種イモの準備: 種イモは、ウイルスや菌が付着していないものを使用します。
  2. 播種機の役割: 種イモの植えつけには、播種機(ポテトプランタ)を使用。プランタには皿のような物が複数ついており、自動的にいもをすくっていきます。
  3. 播種後の作業: 植えつけ後はカルチをかけて、除草をします。

ジャガイモの播種については、上記の手順に従って行います。種いもの準備では、ウイルスや菌が付着していないものを選別することが大切です。種いもは30〜40gになるように分割します。40〜60gは分割しません。分割は頂部には芽が集中しているので、頂部を通して芽数が2個以上となるよう縦割りに切断します。

種芋の切断は植付けの4〜7日前に行います。切断後は植えつけまで風通しのよいところで陰干しして乾かします。

播種機を使用することで、種イモの植えつけを効率的に行うことができます。植えつけ後はイモにひっかけないように注意してカルチをかけて、除草をすることで、ジャガイモの生育を促進することができます。

以上が、じゃがいもの播種についての手順となります。家庭菜園にも応用できると思います。

ジャガイモの育成

ジャガイモの育成には、以下のようなポイントがあります。こちらも家庭菜園に応用できると思います。

  • 土作り:ジャガイモは、深く緩やかな土壌を好みます。肥料を入れた土を深く掘り起こし、石や根っこを取り除きます。
  • 種芋の準備:種芋は、病気にかかっていないものを選びます。また、芽出しをしてから植え付けると、スムーズに生長します。
  • 植え付け:穴を掘り、種芋を植え付けます。植え付け後の水やりは不要です。
  • 芽かき(間引き):芽が出たら、弱い芽を取り除きます。強い芽だけを残すことで、株全体の抵抗性が高まり、病害虫に強くなります。
  • 土寄せ・追肥:芽が出てから、土を寄せて茎を覆い、光を遮断します。また、肥料を追加することで、良質のデンプンができて美味しくなります。
  • 花は早めに摘む:ジャガイモは、花を咲かせると、根に栄養が行きずらくなります。そのため、花が咲いたら早めに摘み取ります。
  • 収穫:収穫時期は、春作は6月下旬から7月上旬、秋作は10月下旬から11月上旬です。収穫後は、直射日光を避け、風通しの良い場所で乾燥させます。
  • 貯蔵:乾燥後は、風通しの良い場所で保管します。温度が高いと、芽が出てしまうため、10℃前後の場所が適しています。
  • マルチ栽培について:マルチ栽培は、雑草の発生を抑え、土壌の温度を保ち、水分を蒸発させないため、ジャガイモの栽培に適しています。
  • 連作障害とコンパニオンプランツ*ジャガイモは、野菜分類上ナス科の野菜であるため、ナス科の野菜との連作は避けます。また、コンパニオンプランツとして、ニンジン、タマネギ、トマト、ハーブなどが適しています。
  • ジャガイモの病気と害虫:ジャガイモは、アブラムシを媒介して病気を持っている可能性がある為、無病の種芋を選びましょう。また、ジャガイモの病気として、アルタナリア病、モザイク病、ネコブセンチュウなどがあります。

*コンパニオンプランツとは、作物の栽培を助けるために共に植える野菜などのことをいいます。害虫の発生を抑えたり、収穫量と品質の向上などが見込めます。

じゃがいも収穫

収穫適期を見極めるポイント
じゃがいもの収穫適期は、植え付けから100日前後が目安となります。地上部の状態で判断します。茎葉の半分が枯れた頃がベストタイミングで、早期発見のため土壌診断士に相談したり比重計で測定する方法もあります。

効率的な収穫作業のコツ
手作業も可能ですが、作業効率を上げるにはコンバインやハーベスターといった農機具を使用しましょう。1回で広範囲を処理できます。収穫したイモは直射日光を避けて風通しの良い場所で乾燥させます。

保存方法で鮮度長持ちを実現
収穫直後の馬鈴薯は糖度が高く美味しいですが、温度と湿度が管理できる冷蔵庫で保存することをおすすめします。鮮度と食感が保てます。また、じゃがいもは、長期保存に適した作物ですが、保存期間が長くなると、じゃがいもの表面にシワができたり、芽が出たりすることがあるため、定期的に確認することが大切です。

馬鈴薯(ばれいしょ)栽培に適した時期image
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じゃがいも豆知識

じゃがいもは、南アメリカのアンデス山脈が原産で、小さなイモの原種が中南米に自生していたと考えられています。

16世紀に日本に伝わり、江戸時代以降、米の収穫に不利な山間・寒冷地での栽培が広まったため、地方名や地方品種も多くあります。

ばれいしょの特徴としては、ビタミンCやカリウムなどの豊富な栄養を含むことが挙げられます。また、ばれいしょは、飢饉の際に救いの食物となったこともあり、歴史的に重要な食物の一つとされています。

冷涼な気候を好みます。植え付け時の地温が比較的高く、生育期間中の平均気温が15~20℃で、生育前半の日長が多く、しかも開花期以降の気温差が大きくて雨量の少ない地域での栽培に適します。

1回の栽培に必要な施肥量 (全体)は、10㎡当たり成分量でチッソ70~100g、リン酸100~120g、カリ90~120gを目安にします。完熟堆肥20kgが施用できれば、化成肥料は約20%減らすことができます。

土壌水分60~70%が最適です。また、pH5.0~pH6.0くらいの土を好みます。馬鈴薯は、芽かき後の土寄せは出芽後20日ぐらいで、肥大が開始し始めた株が大半になった時期に行います。

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栽培スケジュールと
使用農機具

排水対策・土壌改良

使用する農機

サブソイラーSAM/SALシリーズ ニプロSAM200-L
サブソイラ/プラウ

サブソイラは30cm以深の固い土の層を砕く農機です。水や空気の通りを良くすることで、じゃがいもの成長に適した土壌環境をつくります。ただし、水はけの基盤整備が必要です。

プラウは土を天地返して混ぜる農機です。深く耕すことで土壌がほぐれ、じゃがいもの根が伸びやすくなり病気にも強くなります。同じ場所での連作も避けられます。

この2つの農機具を組み合わせ、土壌を深く柔らかくし、空気と水の通りを良くすることが大切です。これによりじゃがいもは着実に育ち、安定した収穫が期待できます。

※サブソイラが必要ないケースもありますので、まずは土壌の状態を把握し、その上でどのような農機具を使用することが最適かを判断することが重要です。

堆肥散布機 自走マルチ・マルチスプレッダー ササキSAM-22SN
堆肥散布

堆肥散布は、通常じゃがいもの植えつけ前や成長初期に行います。この時期に堆肥を施すことで、土壌が適切な栄養分を得ることができ、じゃがいもの生育を助けます。

堆肥の選定も重要です。良質な堆肥は、土壌に多くの有機物と栄養分を提供し、作物の成長に影響します。堆肥は耕うんし、均等に広げ、土壌に軽く混ぜ込むか表面に敷くことで土壌全体に均一に栄養が行き渡ります。これにより水分の浸透が改善されます。

堆肥散布の効果としては、水はけの向上、じゃがいもへの栄養供給の促進、土壌の保水力の増加が挙げられます。

薬剤散布機 ライムソワー手動式 ササキML187-0S
薬剤の散布

薬剤散布は、病害虫の発生を防ぐために使用されます。特にじゃがいもは「そうか病」になりやすいため、予防として土壌消毒します。
主に土壌中の病原菌や害虫を減少させるために行います。これは、前の作物の残渣や土壌に潜む微生物が作物に悪影響を与える可能性があるときに有効です。特定の薬剤を使用することで、土壌中の有害な生物を制御し作物への影響を軽減します。

酸度矯正は、土壌のpH(酸性度)を調整することです。じゃがいもはpH5.5~6.0が適しています。

もしpH5.5以下であれば、中和剤として石灰などを使用して土壌のpHを調整します。これにより、じゃがいもの根が栄養をより効果的に吸収できるようになります。
酸度矯正は土壌のpHを適正に保ち、微生物の活動を促進して土壌の健康を補助します。

目的

  • 通気性・排水性確保:サブソイラやプラウ等で耕盤破砕して土中の硬さを緩和し、深層部の通気性を向上させます。
    堆肥散布:堆肥散布は10aあたり1.5t程度投入。PH5.5〜6.0が適しています。
    酸度矯正/薬剤散布:PH7.0を超えると病気が発生する恐れがあります。「そうか病」予防のため、ダイヤジノンとフロンサイドを散布します。疾病予防のためクロルピクリンなどで土壌消毒をします。

  • 排水対策・土壌改良にかかる時間は、畑の広さや土壌状態、使用する農機具、作業人数などによります。
    以下に作業にかかる一般的な目安の時間を示します。*1畝(約100m×100m)あたりの場合

    • サブソイラの施工(排水対策)目安の時間: 1〜2日
    • プラウやトラクターによる土壌改良 目安の時間: 2〜3日
    • 堆肥の散布 目安の時間: 半日〜1日
    • 土壌消毒機の操作 目安の時間: 半日〜1日
    • 酸度矯正や薬剤散布 目安の時間: 半日〜1日
    作業によって、一定の間隔を空けて行わなければならない工程がありますので、全体の作業は数週間かかることがあります。具体的な作業計画を立てる際には、専門家や経験者にアドバイスを求めることをお勧めします。

耕うん・砕土

使用する農機

トラクター 三菱マヒンドラ農機 GS202JS3WM
トラクター/耕運爪

じゃがいも栽培前の土づくりでは、トラクターと耕運爪が主要な農機具で、耕うん・砕土に使用されます。耕うんは、土壌をほぐし、空気を入れ、水分を保持することで、じゃがいもの生育を促進します。
砕土は、土壌中の大きな塊を細かく砕くことで、土壌の通気性を高め、根の成長を促進します。

トラクターには、耕運爪を取り付けることができます。耕運爪は、トラクターの後部に取り付けられ、土壌を耕うん・砕土するために使用されます。

トラクターと耕運爪を使用して、20~30cm程度の深さから段階的に耕うんを行い土の細かさを調整します。ただし、土の状態によっては1〜2度の耕うんで十分な場合もあるので、土の状態を見極めながら、耕うんを重ねていくことが重要です。トラクターではほかにも畝立てや土の表面均一化ができ、土壌環境を整えられます。

目的

  • 深耕:耕土が深く、かん水後に表土が固くならない土壌が望ましいのでよく深耕します。深さ25〜30cmで耕うんし、砕土を充分にします。

基肥散布・土壌消毒

使用する農機

土壌消毒機1条マルシェ・フロントアグリアタッチ研究所P1F1B-ATR-KM1
土壌消毒機

土壌消毒機は、じゃがいも栽培に重要な役割を果たします。基肥散布は、じゃがいもが必要とする栄養素を土壌に供給するための肥料の散布を指します。一方、土壌消毒は、有害な微生物や病原体を制御することを目的としています。

機械の設定をします。散布範囲や消毒剤の適切な量を調整し、機械を適切にセットアップする作業が含まれます

土壌消毒機を操作して畑全体に均等に散布します。これにより肥料や消毒剤が土壌全体に行き渡り、土壌中の有害な微生物を減少させ、じゃがいもの栽培における病気や害虫のリスクを軽減します。

散布が完了したら一定の時間を待つことで肥料や消毒剤が土壌に浸透し、その効果を発揮します。土壌の消毒が十分に行われたことを確認したら、じゃがいもの植えつけを行います。

目的

  • 窒素・リン酸・カリの分量は各地区指導機関の指導指針を参照して散布します。

畦立て・マルチ
  • 小畦立機・マルチャー

  • 畦立:マルチ栽培では植付後、土に密着するようにフィルムを張ります。(畦立、定植、マルチの場合)
     
     
     

種いも準備・定値
  • 植え付き機

  • 春植えは平均気温が10℃になる7〜10日前、秋植えは23℃になる10日前が植付(25℃以下)適期。種いもは無病のいもを準備します。株間を30cm位に種いもを置いていき、5〜8cm程度覆土します。芽が出てきたらマルチにカミソリで穴をあけ、芽を出してやります。(畦立→定植→マルチの場合)

芽かき・培土・追肥・中耕
  • ロータリーカルチ

  • 培土:萌芽後なるべく早く芽かきをし、株元に培土して茎が揺れないようにします。露地栽培では追肥します。
    中耕:芽かき直後から株元近くに施肥し、中耕、除草、土寄せもします。(マルチなし)開花期に再度土寄せします。緑化予防のため土寄せします。

防除
  • 自走式ラジコン動噴
    ハイクリブーム
     
     
     

  • 防除:軟腐病の予防、アブラムシの防除予防散布なので早めの防除を心がけます。
    疫病・アブラムシ等の発生に注意しながら、茎葉黄変期まで2〜3回薬剤散布を行います。
    茎葉処理:好天時に行い、切断面を乾燥させます。

収穫・運搬・調製
  • つる切機
    マルチはぎ機
    堀取機
    運搬車
    じゃがいも研磨機

  • 収穫:茎葉が黄色くなったら試し掘りをして、傷つけない様に収穫します。
    調製・貯蔵:貯蔵する前に呼吸がおさまるまで12日間直射日光を避けて風にあて仮貯蔵します。本貯蔵の条件は気温2〜4℃、湿度80〜95%で適度の換気も必要です。

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